とても大切な「下地作り」

リフォームする壁紙張り替えで「大切なこと」。
いくつかありますが、その中に「下地作り」があります。
壁紙の仕上がりや耐久性に、大きく関係・影響する大事な作業です。
その内容は、基本的なパテ処理に始まり、シーラーやカビ処理・ひび割れの補修など多岐に渡ります。
パテは下地調整材、シーラーは接着補強剤。ファンデーションと化粧水のようなイメージです。
一方で、壁紙の裏にある下地の状態は、普段の生活の中では直接見ることがありません。そのため、「状態の変化・劣化」には気づきにくい部分でもあります。
ここでは、そんな見えない「下地」と処理内容について、すこしお話しさせていただければと思います。
そもそも、壁紙の「下」はどうなっているのか?
下地の状態は、それぞれのお家ごとに異なります。
- 築年数 ・使用状況 (経年劣化など)
- 施工方法・工事内容 (誰が何を?)
- 立地・建物様式 (日当たりなど)
- 天災・地震による影響
上記条件が変わることで、それぞれに状態も大きく異なります。

上の写真2枚は、戸建てとマンションで違いますが、ほぼ同じ築30年を超えた建物です。
一方で、壁の素材・傷み具合・劣化度合い・施工内容・精度は、何ひとつ同じではありません。
そのため、それぞれの状態や壁紙に合わせて処理方法を変える必要があります。
傷みの原因はどこにあるのか?
主な原因は「時間の経過」です。下地壁でおおく使用される石膏ボード(対応年数20年)や鉄筋コンクリートRC造(対応年数47年)あくまでも目安ですが、その期間で交換されることはありません。
また、壁紙は(対応年数6~7年)を過ぎた頃から、徐々に「うすく・もろく」なっていきます。
ビニル素材の耐候性、紙素材の結合性が失われていくからです。
- 湿気
- 熱・乾燥
- 衝撃・振動
- 紫外線
時間が経つごとに、壁紙の表面から下地壁が受ける影響が徐々に大きくなっていきます。
直接触れていないはずの下地壁が、傷み始める要因のひとつです。
壁紙には下地壁を保護する役割もあります

すこし補足ですが、壁紙の「汚れやすさ」「落ちにくさ」「カビの発生」も、使用年数による素材の劣化・機能低下に関係します。
そのことで起きうること
時間を追うごとに下地壁自体の強度も失われていきます。
たとえば、物が当たっただけでも穴が開きやすくなったり、ひび割れを起こしやすくなる状態です。

残念ながら、経年劣化を完全に止めることは出来ません。
しかし、劣化のスピードを遅らせることや、下地壁の強度や状態を回復させることは確実に出来ます。
リフォーム本来の目的
「今ある状態を、どれだけ良い状態にできるのか?」

それが、リフォーム本来の目的でもあり役割だと私は信じています。
その場の「見た目を良くするため」だけでは無く、その後「安心して快適に過ごせる」ことの方が重要だと考えるからです。
さいごに
リフォームする壁紙張り替えの下地処理は、仕上がりを良くすることだけが目的ではありません。
「大切なお家の状態を直す」。メンテナンスとしての役割・側面もあります。
また、当店がおすすめしている内容は、全ての方が望まれている内容ではありません。
でも、長いことこの仕事に携わり「壁紙の下にある事実」を知る者として、
・何をすれば変わるのか?
・何をしなければ、どうなるのか?
そのことは、重々分かっています。
こういう時代だからこそ、しっかりと根拠のある内容をおすすめいたします。
行われている作業の様子は、こちらからご覧ください。