壁紙のお手入れと、職人の豆知識
はじめに
毎日の暮らしの中で、ふと気になることのひとつ。「壁紙のお手入れって、どうすればいいの?」という経験をされたことがある方も多いのではないでしょうか?
ちょっとした汚れ、ふれてしまった跡、なんとなくくすんできた感じ…。
「自分で掃除してもいいのかな?」「こすっても大丈夫?」と、迷ってしまうこともあるかもしれません。
今回は、そんなお悩みにお応えして、日頃からできる壁紙のお手入れ方法や職人目線のちょっとした豆知識をまとめてみました。
よくあるお悩みと、
基本のお手入れ方法
壁紙に関するご相談で多いのは、やはり「汚れ」のこと。
とくに、以下のようなケースが良く見られます。
- 手垢や皮脂で、スイッチ周りが黒ずんできた
- キッチンの壁紙に油や水がはねてしまった
- お子さんの手の届く範囲に、落書きや汚れがついてしまった など

こうした場合は、やわらかい布やスポンジにうすめた中性洗剤をすこし含ませて、軽く叩くように拭き取るのがおすすめです。ゴシゴシこすると、表面が傷ついたり、柄や色が薄れてしまうこともありますので、やさしく。
また、壁の「角」やスイッチプレートの周辺などは、とくに汚れやすい場所。
そこだけ強くこすると、変色や表面が取れやすいので注意も必要です。
激落ちくんなどの「メラミンスポンジ」がおすすめです。水を含ませて、ぎゅっとしぼって軽くこすります。一方で便利ですが、使いすぎると表面を削りすぎてしまうことも。ポイントはやはり、「力を入れずにやさしく」です。
素材によって
違う。お手入れのコツ
ビニールクロス
基本的に水拭き可能。色物は変色に注意。
紙クロス・和紙・布
乾拭きが基本。取扱いには注意が必要。
凹凸のあるデザインクロス
やわらかい歯ブラシなどが有効。やさしく。
インクジェットクロス
乾拭きからがおすすめ。シミに注意。

何十年と使用された壁紙は、表面のビニル質が薄くなっています。そのため、汚れを擦ると周りに広げるケースや、その部分だけ色が変わることもありますので、ご注意ください。
わからない場合は、ご相談いただければ素材に応じたアドバイスも可能です。
また、いきなり気になる部分から始めるのではなく、まずは目立たない場所で試すことをおすすめします。
知っておくと安心
な「職人の豆知識」
長年、壁紙に向き合ってきた者として、こんなお話しもあります。
壁紙はお手入れで「その後」の状態が変わる
壁紙は、お手入れ方法によっても「その後の状態」傷み方や汚れ方が大きく変わります。実際、掃除の仕方よりも、換気や物の置き方が大事。お部屋の中の空気を、循環させることも必要です。
また、「壁紙の張替え時期って、どうやって決めるの?」というご質問もよくいただきます。
あくまでも目安として「壁紙の対応年数6~7年」を過ぎ、「日焼けや色あせが目立ってきた」「剥がれやスキマが多くある」「掃除しても落ちない汚れが増えた」などがサインです。
無理に自分でなんとかしようとせず、気になったタイミングでご相談いただけたらと思います。
さいごに
壁紙のお手入れは、日々の暮らしを心地よく保つための「ひと手間」です。
でも、その「ひと手間」が難しく感じられるときは、無理をしないのも大切なことだと思っています。
そんな時に、頼っていただけたらうれしいです。